全曲集 渡哲也

渡哲也 全曲集 渡哲也歌詞
1.くちなしの花

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

いまでは指輪も まわるほど
やせてやつれた おまえのうわさ
くちなしの花の 花のかおりが
旅路のはてまで ついてくる
くちなしの白い花
おまえのような 花だった

わがままいっては 困らせた
子供みたいな あの日のおまえ
くちなしの雨の 雨の別れが
今でも心を しめつける
くちなしの白い花
おまえのような 花だった

小さな幸せ それさえも
捨ててしまった 自分の手から
くちなしの花を 花を見るたび
淋しい笑顔が また浮かぶ
くちなしの白い花
おまえのような 花だった


2.みちづれ

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

水にただよう 浮草に
おなじさだめと 指をさす
言葉少なに 目をうるませて
俺をみつめて うなづくおまえ
きめた きめた おまえとみちづれに

花の咲かない 浮草に
いつか 実のなる ときをまつ
寒い夜更けは お酒を買って
たまのおごりと はしゃぐ姿に
きめた きめた おまえとみちづれに

根なし明日なし 浮草に
月のしずくの やどるころ
夢の中でも この手をもとめ
さぐりあてれば 小さな寝息
きめた きめた おまえとみちづれに


3.あいつ

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

この指 泣いて かんだやつ
今でも おれを 憎むやつ
それでも じっと蔭ながら
どこかで おれを 見てるやつ
遠くなるほど 近くなる
あいつ あいつ 忘れられない あいつ

名もない花が 好きなやつ
子供のように 怒るやつ
いっしょに 側にいるだけで
不思議にこころ なごむやつ
日なたの匂いが するような
あいつ あいつ 心ひかれる あいつ

ひとりで いまも 暮すやつ
かなしい意地を 通すやつ
二度ない春を 無駄にして
ひそかに愛を 燃やすやつ
忘れてくれたら いいものを
あいつ あいつ 俺を泣かせる あいつ


4.水割り

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

いつもおまえは 微笑ったあとで
ふっと淋しい 顔するね 顔するね
うすい肩さえ 痛々しいが
水割りの 水割りの 酒といっしょに
飲みほす恋の わかれ酒

きれいばかりに 見ないでくれと
みせたうなじの 傷のあと 傷のあと
影と影とが 呼びあうからか
水割りの 水割りの 氷みたいに
こころがふれて 鳴った夜

うらむその目を ふり切るおれに
そっとさし出す 女傘 女傘
抱いてやりたい 抱いたら負ける
水割りの 水割りの 酒のちからで
とびだす路地に 冬の雨


5.ほおずき

作詞:ちあき哲也
作曲:杉本真人

ほおずきほおずきまだ鳴らせない
ほおずきほおずきもし鳴らせたら

胸にたまった恨み言こめるように
いつでも鳴らしていたっけね
紅いほおずき…
おまえにしてみたあの仕打ち
今頃くやんでいるんだよ

ほおずきほおずきまだ鳴らせない
ほおずきほおずきもし鳴らせたら
おまえの淋しさわかるだろう

(セリフ)「どうしているんでしょうあいつ。あれっきりもう
あの酒場には顔も見せてないって話しですし
またどこかの街にでも流れていっちまったのか
それとも…」

ほおずきほおずきまだ鳴らせない
ほおずきほおずきもし鳴らせたら

その日その日をためいきでつなぎながら
それでもつくしてくれたのか
恋の明け暮れ
おまえはうわべはきつくても
心のやさしいやつだもの

ほおずきほおずきまだ鳴らせない
ほおずきほおずきもし鳴らせたら
おまえの淋しさわかるだろう


6.北海峡

作詞:ちあき哲也
作曲:杉本真人

昨日あの街 こえてきた
明日も他国の さだめやら
ああ北海峡 しぶきに吹かれ
つける煙草の つける煙草のにがっぽさ

ながれ流れて こんな夜は
故郷恋しさ ついつのる
ああ北海峡 今さら誰に
あわす顔など あわす顔などないものを

ばかなやつほど 人知れず
いたい傷みを さするもの
ああ北海峡 やさぐれ鴎
啼いてくれるか 啼いてくれるか身代りに

いつになったら さすらいに
花を手向ける 春の日が
ああ北海峡 沈んで浮いて
どうせ死ぬまで どうせ死ぬまでひとりだよ


7.寒暖計


8.おもいで螢

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

夢をともしに きたこの街は
夢の住めない 街だった
螢 螢 ほうほう螢 どこ行った
誰がうたうか わらべ唄

羽根をうたれて 飲まされたのは
甘い水かよ にがい水
螢 螢 ほうほう螢 風の中
ゆくえ迷って どこへ飛ぶ

みんなうわべは 幸せそうで
しんはさみしい 奴ばかり
螢 螢 ほうほう螢 ネオン川
酒に涙を すてに来た

ふとんかぶれば 故郷が見える
見える故郷にゃ 帰れない
螢 螢 ほうほう螢 街の空
俺は飛びたい もう一度


9.夜霧のブルース


10.ありんこ

作詞:門谷憲二
作曲:山崎稔

咲くなら咲け 散るなら散れ
自分できめろ
たったひとつの生命じゃないか
わかっていてできないのが人間ならば
ありんこになって生きてもいいさ
ころげころげながら踏まれ踏まれながら
もっともっと汚れちまえよ
はぐれたありんこが雨に打たれ
重い夢のかけらをひきずる
バカだね苦しい旅は捨てて
笑っていれば楽しいものを

降るなら降れ 吹くなら吹け
手かげんするな
どうせまた来る 嵐じゃないか
やるだけやれ 死ぬまでやれ 甘ったれるな
涙なんか ひとりで流せ
街におぼれながら人を憎みながら
もっともっと壊れちまえよ
ひたすらありんこみたいに歩け
その心を誰かが待っている
また来る明日のために愛は
とまっておけよその胸の中

迷い迷いながら 叫び叫びながら
もっともっと汚れちまえよ
ひたすらありんこみたいに歩け
この思いが誰かにつたわる
もう一度かけがえのない愛に
たどりついたら錨をおろせ


11.流氷の街

作詞:小椋佳
作曲:小椋佳

流氷の街の 片隅で
心にしみ込む 優しさは
涙おく 露草か
ひそやかな ひとよ

すまじきは恋の 戯れか
心のなごみの 華やぎも
ひとむれの つわぶきか
隠れ咲く 花よ

白くて細い 首すじの
ほつれ毛あたり 忍び寄る

別れの影を ふり払い
笑顔ばかりを 見せていた

流氷の街を 背にすれば
心にさし込む 悲しさは
ひたむきな 追い風か
散り花の 夢よ


12.わかれ花

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

誰かがささえて やらなけりゃ
倒れてしまう あの女
俺は行くぜと 別れたけれど
うしろ髪ひく 残り雨

今日からひとりと つぶやいて
怨みをこめた あの泪
女ごころは 切ないけれど
俺にゃできない 幸せに

よごれたこの世に ただひとり
真珠のような あの女
きっと浮かぶさ 淋しい顔が
俺がいのちを 閉じるとき


13.旅路の雨

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

こんな晩には さびしそうねと
お酒をつけて くれたっけ
男の気持ち 手にとるように
わかってくれた あの女
なんでだまって 消えたのか
旅路の雨に 思い出す

芝居みてさえ 身につまされて
涙を流す やつだった
あいつのなやみ しんみになって
わかってやれば よかったよ
どんな思いで きくだろか
旅路の雨に 春がゆく

苦労させたが 寝顔は別の
女のように 笑ってた
この手の中で 可愛くいつも
花開こうと してたやつ
ごめん幸せ やれなくて
旅路の雨が 身をせめる


14.ひとり

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

都会 裏窓 袋小路
夢を消された 他人街
いっそ泣こうか 笑おうか
胸のすきまに 霧が降る
ひとり ひとり おれもひとり

出逢い ゆきずり 別れ花
しんは酔えない 忘れ酒
薄い幸せ 細い肩
胸のすきまに 雨が降る
ひとり ひとり あいつもひとり

夜更け 靴音 石だたみ
ひとりたたずむ ガード下
背中ぬくめる 灯もうすく
胸のすきまに 風が吹く
ひとり ひとり みんなひとり


15.朝やけ


16.酒は男の子守唄

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

心に燃える 火はあれど
夢まだ寒き 風の街
ふるさと遠く ひとりくむ
酒は男の 子守唄

海山ゆけば 露おびて
手足にからむ 乙女花
明日の別れ 待つ身には
恋は緑酒か 苦酒か

みどりの竹に くむ酒も
カニの甲らに にる酒も
心にしみて かけめぐる
酒はみちづれ 酒は友

水より薄き 人の世に
情けをともす 宿あかり
酔いきわまれば 泣くもよし
酒に男の 涙あり


17.裏町人生


18.さざんかの宿


19.あじさいの雨

作詞:水木かおる
作曲:遠藤実

弱いからだに かさねた無理を
かくしていたのか 濃いめの化粧
いくども色を 変えながら
枯れて淋しく 散ってゆく
雨 雨 あじさいの雨に
煙るおまえの 白い顔

いつも変らぬ 笑顔のかげで
いつか指から 消えてたゆびわ
苦労の重さ たえながら
じっと咲いてた 花にふる
雨 雨 あじさいの雨は
男ごころを ぬらす雨

かげで流した おまえの涙
ふいてやれずに 今日までひとり
身勝手すぎた このおれを
詫びてみたって 遅いけど
雨 雨 あじさいの雨に
声をころして 男泣き


20.鳳仙花

作詞:ちあき哲也
作曲:杉本真人

(セリフ)しかたないじゃないか
俺もおまえもあの街の灯に 目がくらんじまったんだ

あの日もこうして のんだっけ
そして思い出 灼くように
むきにグラスを ほすおまえ
青山 乃木坂 六本木
ビルにさだめを囲まれて
歩き疲れた 俺たちさ…

※鳳仙花 鳳仙花
どうせ都会に 散る花は
鳳仙花 鳳仙花
いのち儚い 一年草※

淋しくなったら 電話して
うらみ言葉を 裏返し
傷をだまして みるおまえ
青山 乃木坂 六本木
もろく気持ちは動くけど
あとで苦しむ 俺たちさ

鳳仙花 鳳仙花
熟れてはじけて 飛びだして
鳳仙花 鳳仙花
夜をさまよう 一年草

(※くり返し)